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ヴィヴィアン時計
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Topic: ヴィヴィアン時計 (Read 87 times)
fbhjnksjt
Guest
ヴィヴィアン時計
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November 22, 2013, 09:40:05 pm »
「法術……」 自らも法術士である彼等は、すぐに敷かれていた陣を完全に切った。一人が短く術式を唱え、ぱちりと指を鳴らす。空気の弾ける鋭い音が、眠っている兵士達の耳元で次々と鳴り響く。
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第十章「闇を征く者と標の光」 三
ぱちん、と乾いた音を立て、足元で踏み締められた枝が折れた。
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その音で眠りを解かれ、兵士達は飛び起きて呆然と辺りを見回した。彼等は自分達が眠っていた事を咄嗟には理解できていないようで、宿営地の中を戸惑うような騒めきが広がる。
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「面白いですね。剣士が術を使うって聞いた事がないわ。だから術が中途半端なんでしょうか」「呑気に分析している場合か。問題は、この相手が何を目的に術を使ったのかだ」
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何の為に軍の行動を妨げるのか。レオアリス達の胸中も経緯も知らないボルドーが、軍に対する意趣があると考えたのも無理な話ではないだろう。 ボルドーは頬に厳しい色を浮かべ、宿営地を歩き出した。残りの法術士達もその後に続く。 被きの付いた長い外套を纏った法術士団独特の姿を見て、兵士達が自然と道を開ける。法術士達が外套を翻して歩く様は、いよいよ地底へ――黒竜の支配下への出立が近い事を示しているようだった。まだ呆然と座っていた兵士も慌しく武具の点検を始める。「ウィンスター大将殿はおられますか!」
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「法陣が高度な割には、未熟な術だな」 中将ボルドーは灰色の瞳を足元の印に向けた。百名近い人数を一斉に眠らせたにしては、印からはそれほどの力は感じられない。マーク 時計「ウィンスター殿の報告にあった少年でしょうか。術士だという……いや、剣士かな」 先程術を切った法術士、少将のシアンが興味深そうに印に屈み込んでいる。
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「そうだろう。リンデール中将の他には術士は配備されていなかったはずだし、この森に今他の術士がいるとも思えない」
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「何だ、これは――」 カトゥシュ森林の宿営地に到着した救援部隊は、寝静まった宿営地の様子に驚きの声を上げた。兵士達がそこここに、倒れるように眠り込んでいる。既にレオアリスが敷いた法陣の輝きは失せていて、五つの印が夜の闇に浮かぶ標のように、彼等の前で微かに光っていた。
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『危険と判断した場合は封じろ』 西方将軍ヴァン・ヴレッグはボルドーにそう指示した。それは黒竜だけではなく、剣士についてだ。ヴァン・ヴレッグは詳しい説明をボルドーに与えなかったが、何故、というボルドーの疑問はこの状況を見て懸念に変わった。
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